災害をきっかけにリスクへの備えを考える

先月8日から9日にかけて台風15号が関東地方を直撃しました。
過去最大級の暴風による千葉県の甚大な被害は報道等でご存知のとおりです。

その中でもゴルフ練習場のネットが強風にあおられ、鉄柱が倒れて近隣の住宅10数軒を直撃した被害は目を疑う光景で、被害に合われた近隣住宅の方に対する補償についてのゴルフ練習場側の対応などが連日報道されていました。

被害に合われた方に十分な補償がなされて欲しいと願うと同時に、職業柄どうしても気になってしまうのが、ゴルフ練習場側の賠償責任です。

ゴルフ練習場は十分な施設賠償責任保険に入っていたのだろうか・・・
保険が下りない場合、被害に合われた方への補償ができるほどの内部留保はできていたのだろうか・・・

今回のケースの場合、自然災害が原因のためゴルフ練習場に賠償責任はないと判断されれば、賠償責任保険に入っていたとしても、保険金支払いの対象にはなりませんが、自社の保険加入について見直す機会として欲しいのです。

個人法人を問わず、私たちが負うリスクには大きく2つに分けられます。

(1)については、起こる確率が比較的高めであるものの、損害額が比較的少なくてすむため、内部留保があれば、それで十分に対応できる損害になります。しかし、保険で備える場合、起こる確率が高めであるため補償額に対して保険料は高めになります。

(2)については、起こる確率は低いものの、万が一起きた際には損害額が大きく、個人や企業では負担しきれないような損害になります。しかし、保険で備える場合、起こる確率が低いため、補償額を大きくしても保険料は安く済みます。

こう分けて考えると、保険で備えるべきは(2)のタイプのリスクというのが分かるかと思いますが、意外とよく見るのが、(1)のタイプのリスクにきっちりと保険で備えている一方で、(2)のリスクに対する備えはしていないか、していたとしても補償額が少なすぎるといったケースです。

個人法人問わず、しっかりと内部留保ができているようであれば(1)のタイプのリスクについては高い保険料を支払わずとも内部留保で対応すればよいですし、その分、内部留保では対応しきれない(2)のタイプのリスクについては保険でしっかりと備えるべきです。

ただし、生命保険を含めて保険についてはリスクに対する考え方や、個人法人問わず、それぞれ財政状況や背景にあるリスクが異なるため、一概に何が正解かは言うことができません。

内部留保が少ない場合など、不足の事態による急な出費に対応できない場合は(1)のタイプのリスクについても備える必要があると言えるでしょう。

問題は、自身や、自社にはどういったリスクがあるのかを適切に評価することなく、保険代理店や税理士などに勧められるがままに保険に加入し、もしくは加入せず、不測の事態にどれだけの備えを講じているのかを把握・理解していないケースがとても多いことです。

リスクに対する考え方は保険代理店や税理士によっても異なります。お付き合いがあることも理解できますが、ぜひ複数の方の意見を聞いてみるといいでしょう。

ご自身が、自社が、必要に応じて過不足なく適切な保険に加入し、万一の際に必要な備えがきちんとできているか、これを機会に点検してみてください。

エー・アンド・パートナーズ税理士法人

ベストセラー多数の人気税理士岡本吏郎が主催する税理士法人。 マーケティングコンサルタントでもある岡本吏郎を中心に、東京・新潟事務所には、専門知識と実務経験の豊かなスタッフが在籍。 全国の中小企業経営者が独自ノウハウを支持。