次の環境適応

先週、フォレスト出版に
『もう古い!会社にお金が残らない本当の理由』的な本をやらないか・・とメールをしました。
そして、数分後に返事。
「ぜひ、やりましょう」
本能的に、メールを送ってしまいましたが、
出版社の反応を見て、私は少し後悔しました。
とにかく、今年は、昨年以上に忙しい状況で、
年明けから、忙しさに恐怖を感じているというのに、
自分で仕事を増やしているのですから話になりません。
しかし、
こうした本の企画を出したくなるほどに、
昨年12月に公表された税制改正大綱以後、
私たちの中では、節税感が変わってしまいました。
現在の日本は、
田中角栄的なものに翻弄されています。
年金問題は、まさにそうですし、
税制にも、その足跡が残っています。
そして、今回、民主党は、
税制に残る田中角栄的なものに手を付けました。
それが、高額所得者の給与所得控除に
上限を設けたことです。
もちろん、今回の改正は、
あいかわらず、政治が、取りやすいところに
ターゲットを絞った感がぬぐえず、
完全に、田中角栄的なものを払拭したわけではありません。
しかし、過去に田中角栄が行ったリップサービスに
やっと手を付けたわけです。
つまり、この給与所得控除の改正は、
このままでは終わらない可能性がありますし、
税制改正大綱には、その可能性を匂わせているように思います。
いずれにしても、
法人税率の改正とこの給与所得控除の上限の設定は、
中小企業の節税方法、いやいや、運営方法を根本的に変えることになります。
そのため、
私が過去に書いた本は内容が古くなり、
現在、ゲラを制作中の本は、一部書き直しが必要になってしまいました。
毎年年末に行う『年末放談 ユーストリーム版』でも
言わせていただいていますが、
国は、すでに国家総動員を決めていると思います。
第一次世界大戦の後に
軍人が痛感した国家総動員は、
彼ら軍人の考えでしかありませんでしたが、
21世紀の国家総動員は、
政治家も官僚も感じていることでしょう。
もちろん、
今でも、そういう感覚がない的外れな政治家もいますが、
民主党の中枢や官僚は、そう思っているはずです。
そして、
そうした考えを具現化する第一歩としても
今回の税制改正はあるのでしょう。
しかし、
私たちは、そうしたことに一喜一憂しても
意味はありません。
環境適応。
それが私たちのやるべきことです。
ですから、
今までのことは、今までのこととして、
新しい枠組みを考えましょう。
中には、今までの節税がムダ、いやムダ以上の
状況になったりもしますが、仕方がありません。
感情的になっている
暇があったら、対応策を考えましょう。
時代は、
私たちに、過去を捨てるように
強いているのだと思います。

役員報酬の決め方、公開します

というセミナーがこれです。
『攻略!“新税制”セミナー 役員報酬最適シミュレーションソフトで完全対策!!』
【このセミナーは終了しました。】
“税制”、なんて難しい名前を付けてしまいましたが、内容は難しくありません。
このセミナーでお伝えしたい事はたった一つです。
それは、これからの時代の『役員報酬の決め方』。
当社としても、このセミナーの開催を急遽2月2日に設定しました。
その理由は、急がなければ間に合わなくなる企業が出てくるから。
皆さんご存じのように、役員報酬は一年間変更できません。
「役員報酬の決め方が変わる事は耳にしていたが、そういう事だったのか!
それならもっと考えて役員報酬を決めたのに・・・」
という方が極力出ないように、出来るだけ早い時期にと考えました。
セミナー開催と同時に音声CDを販売していますが、
こちらは税制改正の内容を総論的にお話しさせていただいたもの。
セミナーでは、役員報酬の決め方というポイントを具体的に解説いたしますので、
「そろそろ役員報酬を決めなければ・・・」
とお考えの方は、是非ご参加ください。
定員まで若干数です。
『攻略!“新税制”セミナー 役員報酬最適シミュレーションソフトで完全対策!!』
【このセミナーは終了しました。】
以上、告知でした!
しかし、毎年納税者を混乱させるとは、おかしな国です。
本来、税制や会計はシンプルであるべきで、
自分の給料を決めるのにセミナーを聞かなければならないという状況は
いかがなものでしょうか・・・。
しかも、度重なる複雑な制度変更によって、ついていけなくなっている
税理士もいるようです。
なんせ、平均年齢60歳と言われており、昔からの制度に慣れている税理士は、
そう簡単に思考も変われません。
「利益が出ていますね、節税を考えましょう。保険とかどうです?」
なんて言い始めたら、他の税理士を探し始めなければならないかもしれません。
実際、節税によるメリットよりも、節税を行うためのコストの方が高くなってきました。
保険の利用に関しては相続税上もメリットが下がり、
“節税対策=保険”の神話は崩れました。
そもそも、節税を行わないのが節税になる時代なのです。
説明は非常に難しいのですが・・・。
最後になりますが、制限なしの給与所得控除は今年が最後ですし、高い役員報酬を受け取られている方は、
今年と来年の二年間の通算で金額を決めてくださいね。
個人所得税の負担額が大きく変わりますので。
・・・これがいわゆる節税です。