敷金は払わなければならないか

敷金・保証金を支払わなくても済む方法、ご存じですか?
おそらく大多数の方が事務所・店舗を借りる際に家賃については値段交渉をしていることでしょう。それでは敷金についてはどうでしょうか。
日本経済新聞によれば、全国で約60店舗を運営している、ある洋風居酒屋チェーンでは店舗を借りる際に差し入れる保証金について、金融機関が不動産業者に代りに現金を差し入れる『保証金代預託契約』を導入したとのことです。
なんとこの居酒屋チェーン、この契約を結ぶ以前の昨年9月末時点で7億円の保証金を差し入れていたとのことです。
この契約により、借入金の金利を上回る水準の手数料を銀行に支払うことになりますが、多額の支出を長期間、固定化しなくて済みます。
これにより保証金を7割圧縮し、捻出した資金を出店や運転資金にあてます。
資産の水膨れを回避しつつ、積極出店を進めることが狙いです。
通常、敷金は最低でも家賃の3ヶ月分の支出を要します。しかし、ご存じのとおり、これを経費で落とすことはできません。
敷金は家賃を滞納したり、退出時に修繕費がかかったりした時の為に前もって大家さんに預けておくお金です。
しつこいようですが、支出時においては経費になりません。
だったらこの敷金を払わなくても済むように交渉すれば良いのです。
退出時に原状回復の為に修繕費が必要になれば、当然これは支払わなければなりません。
しかし、これは全て支出時に経費で落とすことができます。
言うまでもなく経費節減は大切ですが、こうした発想の転換と交渉により支出を見直すこともとても重要です。
電気代の節約や、裏紙の使用といった節約方法は、もちろん環境保全といった観点からは意味がありますが、経営の観点からは従業員のモチベーションを下げるだけで、特に業績が不調な時においては効果的とは言えません。
それよりも前出の居酒屋チェーンのように、支出時に経費とならない支出を可能な限り抑えることができれば、その支出を事業の運転資金や拡大の為に回すことができます。
世間一般には敷金は借りるときに払うのが慣習でしょう。
しかし、今までの慣習といったものに固着せずに、ちょっとした発想の転換を試みることで、経営にとってとても重要な影響が生まれることがあります。
このように、無意識のうちに固着してしまっている概念が、まだきっと他にもあるはずです。
そこから脱し、自由な発想で経営を行うことが、ライバルとの差を生みだすのです。