今回は中小企業におけるCROAの計算方法と考え方について前回に引き続きお話いたします。
キャッシュフロー計算書も損益計算書の利益と同じようにその計算過程によって3種類に分類されます。
1.営業キャッシュフロー
2.投資キャッシュフロー
3.財務キャッシュフロー
キャッシュフロー計算書は、平成12年3月期決算から、上場企業においてのみ作成が義務づけられ、中小企業においては作成が強制されていませが、現在ではほとんどの会計事務所において決算書類の一部として作成しています。
今回はそれぞれのキャッシュフローの説明は省略しますが、この中でCROAを計算する場合に使うキャッシュフローが、『営業キャッシュフロー』というものです。
この営業キャッシュフローとは、細かな話を省略すると、会社の本来業務での収入である『経常収入』から本来業務にかかった支出である『経常支出』を差し引いて計算したもので、会社本来の『金を稼ぐ力』を表します。
話は変わりますが企業再生支援の現場において、再生可能性の判断するためにまず見るのがのがこの営業キャッシュフローがプラスかマイナスかということです。
営業キャッシュフローがプラスの場合には企業本来の収益力はあるので、歯車の狂った債務の整理さえつければ再生の可能性はあります。
逆に、この営業キャッシュフローがマイナスの場合は、「経営を継続することが困難である」と言わざるをえません。
ところが、中小企業では営業キャッシュフローがマイナスにもかかわらず長年経営を続けている会社がたくさんあります。
これは、利益を圧縮するために多くの中小企業が役員報酬などを過大に支払っているためです。つまり、役員報酬などの支払いによるキャッシュアウトがそのまま営業キャッシュフローに反映されているのです。
中小企業にとってはキャッシュフロー計算書で計算されて営業キャッシュフローでさえもまったく意味のないただの数字に成り下がってしまっているということです。
このままではCROAの計算もまともにできません。
そこで、わたしは営業キャッシュフローのかわりに『M3』の考え方を取り入れた『修正営業キャッシュフロー』を使ってCROAを計算しています。
M3とは当社代表である岡本の著書『会社の数字がカラダでわかる!会計するカラダのススメ』(幻冬舎)で詳しく説明してありますので、そちらをご覧いただきたいと思います。
そして私はこのM3によって計算された収益率の目標を10%~20%に設定して経営に望むことが必要と指導しています。
先週のメルマガを読んでいただいたお客様からご質問をいただきました。
言い回しが少し違うかもしれませんが次のような内容でした。
「このような数字の計算は経理担当者でもできるものでしょうか?」
これに関しての私の答えは次の通りです。
「できません。ただし経理担当者が身内の場合は別です。なぜなら、プライベートを合算しなければならないのでオーナー親族以外は計算できないからです。もう少し言うと、これは社長が計算しなければならない数字です。数字は人任せにしてはいけません。」
私がここで言いたかったことは「自分で計算する」ということです。
私は、自分が計算した数字以外はアタマに入ってきません。これはみなさんもそうだと思います。
数字というものは自分で計算したものでなければそればただの記号でしかありません。数字に意味を持たせるのはみなさん自身です。
多くの方から求められることですが、極端なことを言えば、経営における目標値を他人に設定されること自体に意味がないと私は考えています。
CROAを自ら計算し、経営における自分だけの世界観を築いていってください。