消費税増税に関する注意点のポイント!!

消費税の増税も間もなくですね。
今回はこの時期でもお問い合わせの多い、増税に関する事業者の注意点についてお伝えます。
(1)消費税の転嫁拒否等の行為の禁止
平成26年4月1日以後の、継続的な取引を行っている事業者から受ける商品やサービスの供給に関して、次の4つの行為は禁止されています。

出典:日本商工会議所「消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント」より

このように、消費税の増税に関して増税分を価格に転嫁せず、不当にその分の負担を求めること等を禁止しています。仮にこのような不当な行為を受けた場合には、商工会議所、公正取引委員会、中小企業庁等の専用窓口で相談が受けることができ、これらの行為は取締の対象となります。
(2)消費税還元セールの禁止
平成26年4月1日以後に、自社の商品やサービスの広告等への表示に関して、「消費税」という単語を使用した、次のような表示が禁止されました。
これは、消費者に誤認を与えたり取引先への転嫁の阻害や買い叩きをしたりしないように、消費税に関連して安売りや広告を出すことを禁止したものです。
・消費税は転嫁しません!
・消費税還元!
・消費税は当社が負担!
・消費税分値下げ!
しかし、消費税とは関連しない内容での
・3%値下げセール!
・8%ポイントサービス!
など、たまたま率が同じになっただけのセール等は問題がないといわれています。
ポイントは、「消費税の還元」「増税に関連する相当分の値下げ」等の意味にとられない表示にすることが重要です。要は、消費税の転嫁はしなくてはならないのです。
(3)総額表示の義務が緩和され、「外税表示(税抜表示)」が認められます。
消費者(エンドユーザー)への価格表示に関して、事業者は「総額表示」すなわち税込価格での表示の義務があります。しかし、今後8%への増税後にも10%への増税も控えていることなどから、その表示上の煩雑さを考慮し、平成25年10月1日から「外税表示(税抜表示)」することが認められるようになりました。

出典:日本商工会議所「消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント」より

このように、税抜価格を前面に出すことで「値ごろ感」を強調する効果も期待できます。しかし、税抜価格であることを明確に表示しなければなりませんので注意が必要です。その価格が税込みなのか税抜きなのかわかりづらいような曖昧な表示は禁止されています。
また、消費税率を表示しないこの表示方法により将来10%に増税した場合でも、広告の版下等の変更なく対応が可能となります。
今回は消費税の増税に関連した注意点を3つ確認してみました。
特に(3)に関しては、売上高を構成する税抜き本体部分の見直し、要は、価格設定の見直しの機会にもなるものと考えています。
増税前の駆け込み需要もまもなく落ち着くことでしょう。
本当の勝負は4月以降です。今回取り上げた転嫁拒否等の不当な圧力も、既に水面下では行われているのかもしれません。
しかしこのような相手に屈することなく、価格設定の見直しも、是非とも出来る範囲で実行されてみてはいかがでしょうか。