今の日本で、建物を建てようとした男の頭の中。そして・・

ちょっとした縁で土地を購入することになりました。
今の日本で、土地を買うというのは、値下がりリスクを考慮しなくてはいけません。
しかし、今、私たち日本人が個人で土地を所有すると、売却した時の損失は
他の所得から引くことができません。
つまり、値下がりリスクが考えられる場合、個人で土地を買うことはあり得ません。
ですからこの国で、不動産取引が盛り上がらない理由は、今の税制にもあるはず
です。
そこで、私は考えました。
「会社で購入しよう」
本当は、個人で購入し、その上に会社所有の建物を建てたいのですが、
個人では、値下がりの場合の損失について税効果がありませんから仕方が
ありません。
そこで、会社で購入し、もし、土地が値下がりしたら、底値と判断したところで、
私個人が買う。そうすると、値下がり額を会社の経費にすることができます。
不動産取得税などは、無駄になりますが、現在の状況ではこれしかないでしょう。
次に、事務所用の建物です。
個人で建てようが、会社で建てようが、現在の税制では、建物の減価償却は
定額法しか認められていません。
これは、とんでもないことですが、法律ですから仕方がありません。
しかし、今、日本で、設備投資が盛り上がらないのは、この建物に対する税制も
原因の一つでしょう。
そもそも、日本経済の乗数効果が低いままなのも、こうした税制が要因の一つ
になり、スパイラルな抑止をしているように思います。
そこで、私は考えました。
「限りなく安価な建物を建てよう」
そして、もう一つ考えました。
「固定資産税を限りなく安くなるように建てよう」
私は、過去に、固定資産税(もちろん、不動産取得税もです)を限りなく安くする
建築方法で自宅を建てたことがあります。
このアイデアを基本にして、さらに固定資産税が安くなることを考えようとした
わけです。
固定資産税は、毎年、市町村から賦課される税金ですから、累計すればバカに
なりません。それを安く押さえることで、税制の不利を補おうとしたわけです。
しかし、縁があって土地を買うことになったので、こういうことを考えましたが、
そもそも今の日本で土地建物を買うなどということはあり得ないことでしょう。
私のような人間にはそうとしか考えられません。
ですから、こうした思考をすることさえ、バカバカしい・・・・・。それほどに、今、
私たちが土地建物を購入できないような環境になっているのです。
・・・・と、こうしたことばかり考えていたせいか、土地購入の話はなくなりました。
あるお医者様が、考えられない金額で購入を決めてくれたようなのです。
世の中とは、こうして価値観の違う者が同時に存在するので、めでたくなって
いるのだなーと思いつつ、私はほっと胸をなで下ろしたのでした。
さて、これから日本は増税の雨あられになります。
給与所得控除に上限額が設定される・・・
高額所得者の最高税率が5%上がる・・・
消費税の増税・・・・・
・・・・・・・
さらに、日本経済の乗数効果が落ちていく施策が続きます。
政治は、それを選んだのですから仕方がありませんね。
私たちは、経済人として最適な行動を繰り返すだけです。